オプションに無いイ-ジ-クロ-ザ-を取付
イ-ジ-クロ-ザ-とは、スライドドアを閉めるときに、半ドアになったドアを自動で閉めてくれる装置のこと。
・・・目次・・・・・・・・・・・・・・・
- バンタイプのハイエースにおけるイージークローザーの課題
- 自分で部品を取付る挑戦
- 部品番号が分からないまま部品を注文
- スライドドアのドアロックアッセンブリの取り外し
- パワースライドドアロックアッセンブリを取り付け
- スライドドアクローザリレーの取付
- スライドドアコントロールジャンクションの交換
- 車体側のジャンクション取付
- ドアコントロールリレーの端子番号確認
- 半ドア警告灯からつながる配線探し
- イージークローザーが作動した結線図
- ドアコントロールリレーの取付
- まとめ
バンタイプのハイエースにおけるイージークローザーの課題
乗用車やハイエースのスーパーGL(SGL)には標準装備されているスライドドア用イージークローザー。しかし、貨物車タイプをベースにしたキャンピングカーでは、この便利な機能がオプションにも設定されていません。そのため、スライドドアを閉める際には力いっぱい引っ張る必要があり、一度で閉まらないことも多く、煩わしさを感じる場面が少なくありません。
貨物車タイプのハイエースにイージークローザーを取り付けたいと考えるユーザーも多いですが、メーカーオプションとしては未対応であり、トヨタの販売店でも取り付けを行っていないのが現状です。乗用車のようなオートスライドドアまでは望まなくても、せめて半ドアを自動で閉じる機能があれば、キャンピングカーとしての利便性がさらに向上することでしょう。
現在は、貨物車タイプにもこうした装備が選択肢として提供されているようです。
自分で部品を取付ける挑戦
最近、車の部品を自分で取り付けようと試みました。
ネット上には、同じように自力で取り付けを行ったという事例が多数あり、それを参考にしながら進めることにしました。
しかし、調べてみると、ネット情報には古い車種や異なるモデルのデータが多く、現在の車両に適合しないことが判明しました。
さらに、自分の車に合う部品番号を探そうとしましたが、オプションに設定が無いので該当するものがなく、見つけるのは困難でした。
部品ショップやトヨタの共販店にも相談しましたが、車体番号が必要だと言われ、ネットで調べた部品番号が変更されている場合もあるとの情報を得ました。
最終的には、トヨタパーツカタログを利用してハイエース標準ボディーの部品番号をすべて確認することにしました。しかし、正確な情報かどうか確信を持てない部分もあり、自分で取り付ける際には慎重な判断が必要だと感じています。
部品番号が分からないまま部品を注文
イチかバチかで定価の5%引きの「IMCショップ」さんに見積をしていただき、注文へ。
注文した部品と部品番号は以下の通り。
パワースライドロックASSY LH
部品番号 69300 – 26142
スライドドアクローザーリレー
部品番号 85975 – 26132
スライドドアコントロールジャンクションメス LH(ドア側)
部品番号 84262 – 26120
スライドドアコントロールジャンクションオス LH(車体側)
部品番号 84261 – 26141
ドアコントロールリレー
部品番号 85918 – 26171
他に、ドアコントロールリレー用のカプラ
090型TS-05F(メス5極カプラ)
090Ⅱ-TF(カプラ用接続金具) 5ヶ
スライドドアのドアロックアッセンブリの取り外し
スライドドアの部品交換は、車の構造によって作業が複雑になることがあります。
私の車の場合、スライドドアの入り口付近に収納用の棚が設置されており、これが交換作業を困難にしていました。
ドライバーが入らないほど狭いスペースのため、最終的にはスライドドアを支えるスライドレールを外して作業を進めることにしました。
内張りにはモケットが貼られており、いくつかの箇所でビス止めされているため、それらを慎重に外します。
その後、ドアロックアッセンブリを取り外す作業に移ります。
スライドドア側面には3本のトルクスネジがあり、これらを外すことでドアロックアッセンブリを取り外すことが可能です。
スライドドアをレールから外している状態だったため、右手でドアロックアッセンブリを支えながら安全に作業を進めることができました。
部品交換は手間がかかるものの、慎重な手順で行えば問題なく完了します。
このような作業には、十分な準備と注意が必要です。
ドアロックアッセンブリのワイヤー取り外し手順について
ドアロックアッセンブリから伸びたワイヤーは、スライドドアの開閉を制御するリアドアロックアクチュエータに接続されています。
このワイヤーの取り外しは比較的簡単に行うことができます。以下に手順を説明します。
まず、ワイヤーカバーの金属部分がミゾにはめ込まれている状態を確認してください。この部分は単にミゾにはめ込まれているだけなので、手前に引くことで外すことができます。
その後、ワイヤーを留めている太鼓形状の部分を少し押し込み、斜め上方向に持ち上げることで本体のミゾから外れます。
次に、ワイヤーを固定しているワイヤードメ部分から引き抜きます。
この工程は慎重に行う必要がありますが、特別な工具は必要ありません。
これらの手順を踏むことで、ワイヤーを簡単かつ安全に取り外すことができます。
作業を行う際は、部品の破損を防ぐために力を入れすぎないよう注意してください。
パワースライドドアロックアッセンブリを取り付け
スライドドアの利便性をさらに向上させるために、パワースライドドアアッセンブリの取り付けを行いました。
このアッセンブリにはモーターが搭載されており、半ドア状態でも自動で閉める機能が備わっています。モーターが付属している分、部品自体が重くなるため、取り付けにはしっかりとした固定が必要です。
まず、スライドドアの側面にある三本のトルクスネジを利用して基本的な固定を行いました。
そして、それだけでは十分な安定性が得られないため、もともとそれ用にドア内側に設けられたM6ボルト用の穴を活用しました。
自前で準備したM6ボルトを使用し、アッセンブリをしっかりと固定することで、強度と安全性を確保しました。
部品が重いのでネジ穴の付いた箇所があります。
そこをM6のビスで固定します。
スライドドアクローザリレーの取付
パワースライドドアアッセンブリから出ているカプラを確認し、スライドドアクローザーリレーにつながるカプラと接続します。
この接続により、スライドドアのクローザー機能が正常に動作する準備が整います。
次に、スライドドアクローザーリレーを取り付ける位置を確認します。
写真の位置には、リレーを固定するための穴が既に開いており、この穴を利用して簡単に取り付けることが可能です。
取り付けにはM6のビスを使用し、しっかりと固定してください。
ビスの締め付けが不十分だと、走行中の振動などでリレーが緩む可能性がありますので注意が必要です。
後は、パワースライドドアアッセンブリから伸びたワイヤーの取り付けです。このワイヤーは、スライドドアを開閉する際にリアドアロックアクチュエータに接続される重要な部品です。
パワースライドドアアッセンブリから伸びた新しいワイヤーを取り付けます。このワイヤーは適切な位置に確実に接続されていることを確認してください。
スライドドアコントロールジャンクションの交換
交換前のジャンクション
スライドドアロックリモートコントロールの交換を試みましたが、既存のカプラと交換予定のカプラに違いがあることに気づきました。
既存のカプラは接続配線が2本で構成されているのに対し、交換予定のカプラは接続配線が4本でした。
この違いにより、車体側の配線との互換性に問題が生じる可能性があるため、慎重に確認することが必要です。
エンジンルーム内のジャンクションにつながる車体側の配線を調べたところ、スライドドアロック用の配線が2本で構成されていることが分かりました。
この結果を踏まえ、交換予定のカプラではなく、既存のカプラを再度取り付けることにしました。
既存は、緑、青黒の二本線ですが、新しいカプラには赤、青の線もあり、4本線に
スライドドアロックリモートコントロールの配線調整について
スライドドアロックのリモートコントロールを適切に稼働させるためには、配線の確認と調整が重要です。このシステムは主に緑と青黒の線によって機能していて、赤と青の線が余分であることがわかりました。そのため、不要な線を切断し、配線を整理する作業が必要です。
具体的には、赤と青の線を慎重に切断し、既存のカプラーに他の必要な線をつなぎ直します。この工程は、システムの安定性を保つために正確に行う必要があります。また、作業中は配線の取り扱いに注意し、誤接続やショートを防ぐことが大切です。
後は、パワーロックアッセンブリからのカプラとつないで内張りを閉じました。
車体側のジャンクション取付
バッテリーの脇にあるジャンクションからきているカプラ。
ジャンクション側のカプラ、メス側は上が緑線、下が青黒線
車体側のオスカプラは、上が青線、下が赤線になっています
バッテリー周辺の作業は、慎重に行う必要があります。
今回の作業では、スライドドアのロックとアンロックに関連する配線を扱いました。
まず、バッテリー脇のカプラを外し、既存のジャンクションを取り外して引き抜きます。
このカプラから車体ジャンクションにつながる2本の配線が、スライドドアのロックとアンロックを担っています。
一般的にはバッテリー全体を外して作業する方法が紹介されていますが、私はバッテリーのマイナス端子のみを外すことで作業スペースを確保しました。
ドアコントロールリレーの端子番号確認
ドアコントロールリレーには五箇所の接続端子があり、ネットでも番号などが書いてありましたが、確認のため基盤を抜き出してチェックしました。
5個の端子の下に 1 、上に 5 と書いてあるので、基盤の表、右から 1, 2, 3, 4, 5 であることを確認。
ドアコントロールリレー用のカプラーに各線を接合して、リレーに差し込む。
半ドア警告灯からつながる配線探し
カーテシ線の接続について
車両のカスタマイズや電装品の取り付けにおいて、カーテシ線(スライドドアオープン時にONとなる半ドア警告灯スイッチ線)の接続場所を探すことが課題となりました。
まず、助手席側の天井内にソケットがあるという情報を元に調べましたが、実際にはその場所に該当するソケットを見つけることはできませんでした。
次に、ネットで得た別の情報を参考に、グローブボックスを外して、その奥にあるコネクタを確認しました。そこの左端のコネクタ内の左から2列目、上から3番目の白い太めの線がカーテシ線である可能性が示唆されていました。
念のため、この情報を基に該当する白い線の被覆をナイフで慎重に剥ぎ取り、仮接続を行い動作確認を実施しました。ただし、この情報が全ての車両に適用できるとは限らないため、施工前には必ずご自身で再確認を行うことを強く推奨します。安全第一で作業を進めましょう。
イージークローザーが作動した結線図
下の配線図は、結果的にイージークローザーが作動した結線図。
ドアコントロールリレーの配線と、スライドドコントロールジャンクションオスとの接続は、ネットでは各線にハンダ付けし、T 字取り出しているようです。
しかし、既存スライドドアロックリモートコントロールのカプラではスライドドアロック用の配線以外必要ないようなので、残りの3本を切断してドアコントロールリレーの配線へ直結にしました。
緑線と青黒線は、元々あるスイッチドアロック用配線なので、そのままです。
ドアコントロールリレーの取付
仮配線で作動確認を行った後、ドアコントロールリレーを本設にて取り付けました。付属の取付金具は使用せず、新たに加工を施した金具を採用。
L字型に加工した金具をエンジンルーム後方の仕切り部分に掛ける仕様としました。この変更により、設置場所がより安定し、利便性も向上しました。
特にバッテリー交換時の作業効率を考慮し、リレーの移動が簡単に行えるよう工夫しています。これにより、メンテナンス時の手間を軽減し、スムーズな作業が可能となりました。細部の調整と設計変更を重ねることで、より実用的で使い勝手の良い配置が実現しました。
プラス電源へは、20Aのヒューズをつけて、バッテリーに直結。
まとめ
スライドドアのイージークローザー修理奮闘記
スライドドアのイージークローザーが作動しないトラブルに直面し、修理に挑戦した体験を共有します。
今回の作業は、電気配線や部品選びに関する知識不足から、試行錯誤の連続でしたが、なんとか動作させることができました。
修理の始まり
まず、問題の核心は「ドアコントロールリレー」と「スライドドアコントロールジャンクションオス」の接続ミスでした。
電気配線図を完全に理解できていない私にとって、この作業はネットで得た情報を頼りにするしかありませんでした。
部品の年式が違うこともあり、接続方法が複数存在していたため、正しい組み合わせを見つけるのに苦労しました。
部品選びの試行錯誤
適合する部品番号が手元になかったため、仕方なく適当に部品を選び取り付けるという半ば賭けのような方法を取ることになりました。
幸いにも、選んだ部品でイージークローザーが作動するようになり、一安心。
しかし、この過程では「もし動かなかったらどうしよう」という不安が常につきまといました。
修理後の変化
修理が成功したことで、スライドドアは以前のように力任せで「バーン」と閉める必要がなくなりました。
半ドア状態まで静かに持っていけば、イージークローザーが「ジーガチャン」と自動で閉めてくれるようになったのです。
この機能により、隣に車中泊中の車が停まっている場合でも、スライドドアを閉める際の大きな音を気にする必要がなくなりました。
これで、夜間でも周囲に迷惑をかけずに済むようになり、心からほっとしています。
今回の修理を通じて、電気配線や部品選びの重要性を再認識しました。
同時に、自分の知識不足を痛感しつつも、試行錯誤しながら問題を解決する達成感を味わうことができました。
もし同じようなトラブルに直面した方がいれば、ネット情報を参考にしつつも、可能であれば専門家の助けを借りることをおすすめします。
これからは静かで快適なスライドドア操作を楽しみながら、車中泊やアウトドアでの時間をさらに充実させていきたいと思います。