LSDで、直進走行安定性が向上

LSDで走行性能アップ

車には、タイヤへの動力伝達装置であるディファレンシャルギヤ(オープンデフ)が、ほぼすべての車に備わっています

 車が曲がるときにでる回転差を吸収するための装置

普段走るには、良く考えられた優れた装置なのですが、回転数が、より多い方のタイヤに力を伝えてしまうということが起こってしまてます。


つまり、片輪がぬかるみなどにはまって
 空転してしまうと、もう片方のタイヤには動力が伝わらない ということが起きてしまいます。

車はその場から動けないということになってしまうのです。

 それを抑制しようというのがLSD(リミテッド・スリップ・デフ)です。

 片輪が空転しても、もう片輪にも動力を伝えるようにする装置なのです。

 

 実は、この車を買って早々、雪道を走ることがあったのですが、平坦な雪道で、ゆっくりと走っている時には感じなかったのに、少しアクセルを踏んだだけで、後ろが滑って流れてしまうことがあったのです

緩やかな坂の雪道でも、いったん止まってしまうと、片輪が空転してしまい、車は、まったく動けなくなってしまうのです。


この時ほど、以前乗っていた四輪駆動の凄さを感じたことはありませんでした。

この車を買うにあたり、予算の都合で、「冬はほとんど走らないから」と、都合のいい理由をつけ、四輪駆動を省いてしまったのが、そもそもの原因・・・

車検を、2回も受けた後に、ある観光地に行ったときでした。

前日の大雨で草の生えた駐車場は、水浸しでした。

 停めるときは、どうにか滑らずに停めることができたのですが、車を出すときには、スリップしないかとヒヤヒヤものでした。


どうにかスリップせずに動かすことができたものの、これでは、これからの
クルマ旅で何処にでかけても、不整地に車を乗り入れるのが不安で、心配になり、オープンデフを、LSDに交換することに決めました。

 

LSDオイル抜き

        今までのデフオイルを抜きます。

 今どきの新車には、電子式に片輪が空転しないようにする装置が備わるようになり、ここでのLSDは必要なくなってきているようです。


  駆動輪軸を取り外し。

 整備士さんは、ブレーキパットを解体した方が簡単ということで、まずはブレーキドラムを取り外して軸を抜いていきます。

車軸

 

         つぎにデフカバーの取り外し。

 シャフトとの繋ぎにもマーキングしておきます。

デフマーキング

 


 デフカバーのナットが錆付いていて固く、ボルトごと抜けてきてしまいます。


 苦労しながらの取り外しでした。

外したオープンデフ

 

           これがオープンデフ。

一応バックラッシュ(ギアの遊び)をダイヤルゲージで計ってみると0.15mmあったので、トヨタの整備手帳にある
許容値(0.13mm~0.18mm)
のほぼ中間です。

デフの解体

 

          オープンデフから、リングギアを外します。

 ボルトのゆるみ止メがあるので、爪を曲げていき、10個のボルトを抜きます。

 リングギアは、均等に叩きながら外していきます。

取付けるデフ

組付けたクスコのハイエース用1.5wayのLSD
(品番  HBD-803-L15)

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LSDへボールベアリング

 

       LSDにボールベアリングを圧着したところ。

 これに、リングギアを取り付けです。

LSDに抜け止め

    リングギアを入れ、ボルト抜け止めの爪を戻していきます。

 

デフにLSD組込み

        LSDをギアボックスに組み込む。

 バックラッシュを0.15mmに調整
して、車に組み込みです。

 最後にクスコのLSDオイル(80W-90)を、オイルポンプで入れていきます。

ネットには、デフに入るオイル量の情報がいろいろとあったのですが、実際に入った
デフギアオイルの量は3リットルほどでした

 

 交換後の最初の試し走行では、砂利道の坂を、片輪が空回りしながらも登っている走りが見られ、しっかりとLSDが効いていることを実感しました。

 

 これからの車中泊旅においては、過信することはなくとも、ある程度の安心感を持って走行でき、快適なクルマ旅につながる大きな改造となりました。

 

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